育休を大型連休に重ねると手取りが増える?ゴールデンウィークを例に試算してみた

育休

育児休業は、近年の制度改正により分割して取得できるようになりました。

出生時育児休業(産後パパ育休)と通常の育児休業を組み合わせることで、最大4回に分けて取得することも可能です。

すでに制度としては整備されていますが、現実には「長期間まとめて休むのは難しい」と感じる方も多いのではないでしょうか。

私自身も、子どもが生後1ヶ月ごろに出生時育児休業(産後パパ育休)を28日間取得しましたが、その後の時期は業務の都合もあり、すぐに長期間の育児休業を取得することは難しい状況でした。

そのため、生後6ヶ月ごろのタイミングで、ゴールデンウィークに合わせて短期間の育児休業を取得しました(なお、その後に改めて長期間の育児休業も取得しています)。

ゴールデンウィークに育休をとった理由は他にもあります。

育休給付金の支給額や育休取得による給料の減額がいくらになるのかを調べていく過程で、大型連休に育休を重ねることで、手取りが増える可能性があることがわかったためです。

ただし、これは制度の抜け穴といったものではなく、会社の給与規程や社会保険制度の仕組みによって生じるものです。

また、同様の結果になるかどうかは、勤務先の就業規則によって大きく異なります。

そこで本記事では、実際のモデルケースをもとに以下の点を整理して解説します。

この記事で分かること
  • 育児休業を大型連休に組み合わせると手取りに影響が出る理由
  • 社会保険料免除が家計に与える具体的なインパクト
  • ゴールデンウィークや年末年始が有利になりやすい仕組み
  • 給与規程によって結果が変わるポイント
  • 自分のケースに当てはめて判断する方法

なぜ大型連休と育休の組み合わせが有利になるのか

今回のケースで重要なのは、「大型連休だから得をする」のではなく、「月末を育休期間に含めやすい」という点です。

健康保険料と厚生年金保険料は、月末時点で育児休業を取得している場合、その月の保険料が免除されます。

そのため、ゴールデンウィークや年末年始などの大型連休に合わせて育児休業を取得すると、実際に休む勤務日数が少なくても月末の育休要件を満たせることがあります。

会社の給与減額ルールによっては、給与の減額よりも社会保険料免除と育児休業給付金の効果の方が大きくなり、結果として手取り額が増えることがあります。

ここで、育休の取得日を決めた場合、次に問題になるのが上司にいつ相談するかです。
具体的な相談スケジュールはこちらにまとめています。

モデルケース

月額給与を以下のように設定します。

支給

項目金額
本給180,000円
職能給60,000円
等級給40,000円
役職給10,000円
家族手当20,000円
住宅手当10,000円
総支給320,000円

控除

項目金額
健康保険料16,000円
厚生年金保険料29,000円
雇用保険料1,600円
所得税8,000円
住民税16,000円
合計70,600円

通常時の手取りは249,400円です。

会社の給与減額ルール

育児休業取得時の給与減額ルールは次のとおりとします。

項目減額ルール
本給稼働日に休業した日数×20分の1を減額
職能給休業日数×30分の1を減額
等級給休業日数×30分の1を減額
役職給稼働日の休業日数が8日以内なら3分の1を減額
家族手当その月の稼働日をすべて休業した場合は不支給
住宅手当その月の稼働日をすべて休業した場合は不支給

実際のルールは会社ごとに異なりますので、必ず自社の就業規則や賃金規程をご確認ください。

ゴールデンウィークに10日間の育休を取得した場合

会社のカレンダーと育休取得日を以下のように仮定します。

  • 4月26日(土)~5月4日(日)が9連休
  • 4月25日(金)~5月4日(日)まで育児休業を取得

育児休業の日数は10日ですが、実際の勤務日は4月25日の1日だけです。

ここで、4月25日(金)ではなく4月26日(土)から5月4日(日)までの期間で育休を取ることはできません。

そもそも休業とは労働義務のある日に労働を免除されることです。

そのため、もともと会社が休みの期間だけで休業を取ることはできません。

休業期間には所定労働日が含まれる必要があります。

給与の減額

減額ルールに基づき、給与の減額を計算すると以下のようになります。

項目4月5月
休業日数5日5日
うち稼働日1日0日
本給9,000円0円
職能給10,000円10,000円
等級給6,667円6,667円
役職給3,334円3,334円
家族手当0円0円
住宅手当0円0円
合計29,001円20,001円

社会保険料免除を考慮した手取り額

4月30日時点で育児休業中のため、4月分の健康保険料と厚生年金保険料が免除されます。

これは、月末に育児休業を取得しているとその月の社会保険料が免除される制度となっているためです。

その結果、支給額、控除額、最終的な手取りは次のようになります。

支給額

項目4月5月
本給171,000円180,000円
職能給50,000円50,000円
等級給33,333円33,333円
役職給6,666円6,666円
家族手当20,000円20,000円
住宅手当10,000円10,000円
合計290,999円299,999円

4月分や5月分の給料の減額が翌月に反映させる会社もあります。
ここでは分かりやすさのため、当月の給料に反映させます。

控除

項目4月5月
健康保険料0円16,000円
厚生年金保険料0円29,000円
雇用保険料1,600円1,600円
所得税8,000円8,000円
住民税16,000円16,000円
合計25,600円70,600円

4月分の社会保険料の免除が翌月に反映される場合もありますが、わかりやすさのため4月給料の控除で整理しています。

手取り額

手取り
4月265,399円
5月229,399円

給与だけの手取り合計は494,798円となります。

育児休業給付金も支給される

さらに育児休業給付金が支給されます。

育児休業開始から180日までは、休業開始前賃金の67%相当額が支給されます。

今回のケースでは次の金額を受け取れるものとします。

育児休業給付金
4月35,731円
5月35,731円

合計71,462円です。

最終結果

2か月間の収入を比較すると次のようになります。

項目金額
通常勤務時の2か月手取り498,800円
項目金額
育休取得後の給与手取り494,798円
育児休業給付金71,462円
合計566,260円

差額は67,460円のプラスです。

このモデルケースでは、10日間の育児休業を取得したにもかかわらず、通常勤務時よりも手取り額が増える結果になりました。

だだし、育児休業給付金の振り込みには時間がかかります。

すぐに手取り増を実感できるわけではありません。

注意点:必ず就業規則を確認しよう

ただし、この結果はすべての会社で再現できるわけではありません。

給与の減額方法は会社ごとに異なります。

また、会社によっては育児休業の日数に応じて賞与(ボーナス)が減額されたり、退職金の計算上不利になったりする場合があります。

これらの取り扱いは就業規則、賃金規程、賞与規程、退職金規程などに記載されています。

もっとも、数日から10日程度の短期間の育児休業であれば、ボーナスや退職金への影響よりも、社会保険料免除や育児休業給付金によるメリットの方が大きくなるケースも少なくありません。

実際に有利になるかどうかは会社ごとの制度次第です。

育児休業の取得を検討している方は、自社の就業規則を確認し、一度試算してみることをおすすめします。

まとめ

まとめ
  • 育児休業は分割して取得できる
  • 大型連休と組み合わせると少ない勤務日の休業で月末要件を満たしやすい
  • 月末に育休を取得すると社会保険料が免除される場合がある
  • 会社の給与規程によっては手取り額が増えることもある
  • ボーナスや退職金への影響も確認することが重要

育児休業は本来、子どもの養育のための制度です。

一方で、制度を正しく理解し、自分や家族にとって最適な形で活用することも大切です。

長期間の取得が難しい場合でも、短期間の育児休業をうまく組み合わせることで、育児に参加する時間を確保しながら経済的なメリットを得られる可能性があります。

実際の育児中はバタバタしてばかりです。
そんな中でも、育児をラクにしてくれたアイテムをまとめています。

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